賞与って給与の何カ月分が一般的?ボーナスの計算方法と支給額
就職活動中、転職活動中の皆さまにとって、賞与がいくらなのかは、仕事を決めるうえで大切な判断材料になりますよね。
今回は、知っているようで知らない給与についてのいろいろについて紐解いてまいります。
目次
賞与の種類について
賞与には3種類あります。
- 基本給連動型の賞与
- 業績連動型の賞与
- 決算賞与
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
基本給連動型の賞与
従業員の固定給に比例して決まる賞与の支給方法です。
残業手当や役職手当など変動する手当については含まれず、基本給のみが基本となります。
基本給が25万円、基本給の2か月分が賞与の支給額となる場合、25万円×2か月分=50万円の賞与が支給されます。
業績連動型の賞与
企業の成果によって大きく支給額が左右されるのがこの方法です。
従業員の成果、会社への貢献度に応じて支給額が決まります。
企業の業績が良ければ賞与の支給額も増えますが、業績が悪ければ、支給額が減ります。
現在多くの会社がこの方法を取り入れています。
決算賞与
決算の際、会社が黒字を出した際に支払われる賞与です。
これは、「社員に還元」するという名目で支給される節税対策のひとつです。
そのまま法人税として国に収めるよりは、日頃から会社に貢献している従業員に還元しようというものです。
賞与の支給時期は?
一般的には、夏季と冬季の年二回です。
また企業によっては、中間決算や年度末の業績を反映したタイミングでも決算賞与として支給される場合があります。
またこのほか、企業によっては特別な成果を上げた際に特別ボーナスとして支給するところもあります。
一般的な賞与の支給額は平均何カ月分?
厚生労働省調べによれば、平均賞与は次のとおりとなっています。
従業員数500人以上 | 1.49カ月分 |
---|---|
従業員100~499人 | 1.24カ月分 |
従業員30~99人 | 1.15カ月分 |
従業員5~29人 | 1.01カ月分 |
従業員30人以上 | 1.18ケ月分 |
参考:厚生労働省・毎月勤労統計調査「令和5年2月分結果速報等・≪特別集計≫令和4年夏季賞与(一人平均)」
これを見るかぎりでは、企業の規模が小さくなるにつれて支給割合も低下していることが分かります。
業界別平均賞与支給額
それでは、つぎに業界別平均賞与の支給額について見ていきましょう。
2022年のデータによれば、トップが電気・ガス業、続いて情報通信業、学術研究等という結果になっています。
<業界別平均賞与支給額トップ5>
① 電気・ガス業 | 805,880円 |
---|---|
② 情報通信業 | 662,768円 |
③ 学術研究等 | 634,606円 |
④ 金融業・保険業 | 621,410円 |
⑤ 不動産・物品賃貸業 | 554,675円 |
参考:厚生労働省・毎月勤労統計調査「令和5年2月分結果速報等・≪特別集計≫令和4年夏季賞与(一人平均)」
年齢別平均賞与支給額
2022年のデータによると、年齢別平均賞与支給額は次のような結果になっています。
~19歳 | 150,700円 |
---|---|
20~24歳 | 382,200円 |
25~29歳 | 655,500円 |
30~34歳 | 799,300円 |
35~39歳 | 926,100円 |
40~44歳 | 1,012,800円 |
45~49歳 | 1,081,300円 |
50~54歳 | 1,159,100円 |
55~54歳 | 1,159,100円 |
55~59歳 | 1,155,700円 |
60~64歳 | 692,000円 |
65~69歳 | 350,800円 |
70歳~ | 228,900円 |
前年齢平均 | 884,500円 |
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」※企業規模10人以上の民間企業で働く男女平均
ご覧のように、19歳以下は最も低く、年齢とともに徐々に上昇していきます。
50歳から54歳の間でピークを迎え、60歳を過ぎた頃から、減少していきます。
これは、正社員から定年後の再雇用やパートタイム労働へと働き方が変わったことによる影響であると思われます。
賞与ありとなしの収入の比較
求人票を見ていると、賞与についてさまざまな表記がありますが、賞与がありとなしでは、どのぐらい収入に差があるのでしょうか?
比較してみましょう。
例えば、基本給35万円、賞与・退職金なしの場合
基本給35万円×12ケ月=4,200,000円
続いて、基本給29万円、年2回の賞与、年1回の決算賞与、退職金ありの場合を見てみましょう。
基本給29万円×12ケ月=3,480,000円
賞与29万円×2ケ月=580,000円
決算賞与29万円×1か月=290,000円
合計4,650,000円(別途、退職金があります)
ご覧のように年収では、450,000円の差が発生します。
年収だけ見れば、基本給が低くても賞与があるほうが年収が高いことが分かります。
それでは、そのほかにメリットデメリットはないのでしょうか?
賞与ありなしそれぞれの会社についてのメリットデメリットを見ていきましょう。
賞与ありの会社のメリット・デメリット
賞与ありの会社におけるメリットは、次の3つです。
- 年功序列の傾向にある
- 夏季・冬季休暇い合わせて、収入が増える
- 退職金制度のある会社が多い
一方デメリットは、次の2つが挙げられます。
- 基本給が賞与なしの会社に比べて低い
- 基本給が低いので賞与額も小さい
賞与なしの会社のメリットデメリット
まずは、賞与なしの会社のメリットです。
- 実力主義である企業が多い
- 歩合給がある企業が多い
- 同年代に比べて基本給が多い
続いてデメリットです。
- 歩合が含まれなければ、年収が賞与ありの会社に比べて低い
- 退職金制度がない会社が多い
まとめ
一般的に、年収ベースで考えたとき、賞与ありの会社に勤めている社員は、賞与なしの会社に勤めている社員より、50~100万円ほど差がつくことが多くあります。
法律上、賞与に支給を行なうか否かについては、会社側による「任意による支給」と定められています。
業績が悪化した際には、賞与が支払われないのは、何ら違法ではありません。
ただし、就業規則によって何らかの保障を定めている場合もあります。
業績不振の会社が増えている昨今、気になる方はご自身がお勤めの会社の就業規則についてチェックしてみてください。
また、これから就職する方は、ぜひ賞与ありなしといった点に注目して就職活動なさってみてください。