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失業手当を受け取れる条件と流れを解説

失業手当を受け取れる条件と流れを解説

離職した方が転職活動を行う際に、気になるは失業手当ではないでしょうか。
毎月の給与がなくなり、収入源がないと不安になる方も多く、「急いで就職しなくては」という気持ちから転職を失敗する方も多いでしょう。

そのため失業手当で収入を確保できていれば、気持ちに余裕ができ、心おきなく求職活動に注力できることにもつながります。

今回ご紹介するのは失業手当を受け取れる条件と流れを解説します。
これから退職して転職活動を行う方や、まだ失業手当を受け取っていない方は参考にしてください。

失業手当を受け取れる条件とは?

失業手当をもらうには、ハローワークで受給資格の確認をした後、すぐに働ける状態である人なのかを見極められた方のみです。

つまり、「働ける心身状態や働く意思がある人ではあるが、職に就けない」状態であることが条件で失業手当を給付します。

一方退職してすぐに再就職する方や、就職する意思のない人、ケガや病気などが理由で職に就けない人などには失業手当は受け取れません。

また、退職した企業の雇用保険に入っており、自己都合退職と会社都合退職によって
も条件は異なります。
自己都合の場合は12か月以上、会社の都合の場合は6か月以上の被保険者期間が定められています。

失業手当はいつからもらえる

失業手当はハローワークで受給資格手続きを行ってから7日間の待機期間以降と2~3か月の給付制限期間が完了した後にもらえます。

もらえた後はどれくらいの期間までもらえるのでしょうか。
下記の表は自己都合で退職した方の被保険者期間別失業手当給付期間になります。

自己都合
65歳未満
被保険者期間
10年未満 10年以上20年未満 20年以上
90日 120日 150日

つまり、ハローワークに行って申請してから約3か月後に給付金が振り込まれ、3か月から5か月続くという形です。

一方会社都合の場合も、7日間の待機期間以降となりますが、2~3か月の給付制限期間はありません。
口座に振り込まれるまで1か月ほど期間を要するので注意しましょう。

また会社都合の場合と自己都合の失業手当給付期間は異なりますので、下記の表を参考にしてください。

会社都合 被保険者期間
1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
離職時の年齢 30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上 65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

失業手当をもらうまでの流れ

失業手当は自己都合と会社都合によって流れが多少異なりますが、さほど変わりはありません。
ここでは双方の失業手当をもらうまでの流れを紹介していきます。

自己都合の場合

自己都合の場合、下記の表のような流れとなります。

自己都合の場合の流れ
受給資格の確認 離職票発行
雇用保険説明会 雇用保険受給資格者証交付
失業の認定(1) 求職活動
失業の認定(2)
基本手当支給
就業の申告 失業手当の支給終了
離職票とは

離職票とは、勤務していた会社名を始め、氏名、住所、退職する前の半年分の賃金や離職理由などが明記されている書類です。
雇用保険法上、企業は離職証明書をハローワークに届け出をして確認してもらう必要があります。
確認後離職票が発行されますので、失業手当の手続きに使用します。

雇用保険説明会とは

受給資格の決定後、約1週間前後で雇用保険説明会に参加する必要があります。
雇用保険説明会では、失業手当の受給中の手続き方法や、失業認定申込書の書き方など、約2時間にわたって説明を受けます。
説明会が終われば、雇用保険受給資格者証を交付してもらえるケースが多いです。

失業の認定とは

簡単に申し上げますと、しっかり求職活動をしているかの確認をハローワークに行って行うことです。

約4週間に1度、ハローワークが指定する日に出頭し、失業認定申込書に「現在仕事はしていないか」「求職活動をしているか」「しっかり働ける心身状態であるか」などを記載します。

自己都合で退職し、給付制限期間を設定している場合、2回目の失業の認定を給付期間期間が経過したら行います。
失業の認定を受けた1週間程度で基本手当が支給されます。

会社都合の場合

会社都合の場合、自己都合とさほど変わりはありません。
基本手当支給が2回に分かれていますので、下記の表を参考にしておきましょう。

自己都合の場合の流れ
受給資格の確認 離職票発行
雇用保険説明会 雇用保険受給資格者証交付
失業の認定(1) 求職活動
基本手当支給
失業の認定(2)
基本手当支給
就業の申告 失業手当の支給終了

失業手当はいくらもらえる?

失業手当はいくらもらえる?

失業手当の受給額は、離職者の賃金日額によって異なります。
給付日数×基本手当日額で決められていますが、基本手当日額は6か月分の賃金合計÷180×給付率(50%~80%)となります。

しかし上限と下限が定められています。
下記の表は令和3年8月1日以降の賃金日額と基本手当当日額の上限となります。

離職時の年齢 賃金日額の上限額 基本手当日額の上限額
29歳以下 13,520円 6,760円
30歳以上44歳未満 15,020円 7,510円
45歳以上59歳未満 16,530円 8,265円
60歳以上64歳未満 15,770円 7,096円

また、下限に関しては下記の表となります。

  賃金日額の下限額 基本手当日額の下限額
全年齢共通 2,500円 2,000円

10年未満勤めた職場を自己都合で退職した場合、多い方では8,265×90日=743,850円の手当をもらえる方もいれば、基本手当日額の下限である2,000×90日=180,000円という場合もあります。

人によって大きな差額がありますので、失業手当の受給する前に計算して見てもよいでしょう。

まとめ

今回失業手当を受け取れる条件と流れを解説してきました。
すぐに転職する予定のない方や、これから退職を検討している方は、一度ハローワークに足を運び失業手当受給の手続きを行いましょう。

しかし事前に流れを理解していないと、いつ給付されるかわからなくなり、新たな求職活動に影響を及ぼすかもしれません。

どれくらいの金額でいつ給付されるかを理解することで、気持ちの面でも楽になることでしょう。

参照;厚生労働省「離職されたみなさまへ」

参照;厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」

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