iDeCoはやらない方がいい?メリット・デメリットを知って賢くお付き合い!
「iDeCo(イデコ)ってよく聞くけど何?」という方から、「iDeCoを検討しているけど、本当にお得なのかな?」このような方まで、iDeCoについての理解を深めてもらうために、今回は、iDeCoのメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
目次
iDeCo(イデコ)とは
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。
将来受け取る予定の年金を自分自身で積み立てながら、資産づくりを行なうための金融商品です。
将来受け取れる公的年金に不安を抱いている方にとって、大きな希望となるものとして、利用者が広がっています。
しかしながらiDeCOには、メリットもある一方、当然のことながらデメリットもあります。
ここからは、iDeCoのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
iDeCo(イデコ)のメリット
将来受け取るための年金を自分で積み立てることができるというのは、iDeCoのメリットですが、一番の大きなメリットは節税効果が得られるということでしょう。
iDeCoの節税効果は、大きく3つあります。
- 掛金の全額が所得控除される
- 運用益が非課税で再投資される
- 受取時に税控除が受けられる
それでは、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
① iDeCoの掛金は所得控除の対象となります。
そのため、課税対象となる所得が減る=税金が軽減されるということになるのです。
年末調整の際に、メリットを受けることができます。
② 運用益が非課税で再投資される
投資で得た運用益には、20.315%の税金がかかります。
しかしながら、iDeCoの場合は、運用益に税金はかかりません。
税金がかかることなく、そのまま再投資することができるので、資産形成が効率的にできるというわけです。
③ 受取時に税控除が受けられる
受取時にも税制優遇措置があります。
一時金として受け取る場合には、退職所得控除、年金として受け取る場合には、公的年金等控除が受けられます。
iDeCoのデメリット
iDeCoのデメリットも見ていきましょう。
- 原則60歳からしか引き出せない
- 途中解約ができない
- 価格変動のリスクがある
- 手数料がかかる
それでは、それぞれを詳しく見ていきましょう。
① 原則60歳からしか引き出せない
iDeCoは、将来受け取る年金資産を自分で積み立てるという商品です。
そのため、60歳より前に繰り上げて受給することは原則としてできないことになっています。
60歳から年金を受け取るためには、iDeCoへの10年以上の加入期間が必要となります。
加入期間が10年に満たない場合、受給開始年齢が繰り下げられて支給されることになります。
また60歳から75歳までの間に受け取りの手続きをして受給を開始しなければならないという条件があります。
② 途中解約ができない
iDeCoは、老後の資産形成が目的の金融商品です。
そのため、60歳まで引き出すことができません。
また、途中解約もできないことになっています。
途中解約はできませんが、中途脱退は認められるケースがあります。
ただし、いくつかの条件を全て満たした場合に限られます。
中途脱退の場合には「脱退一時金」を受け取ることができますが、「積立を続けるのが難しくなった」というだけでは脱退することはできませんので、加入の際には、積立を続けられるかどうかもしっかりと検討したうえでの加入が必要です。
③ 価格変動のリスクがある
iDeCoは、掛金を運用するという方法で、老後の年金を積み立てるという商品です。
運用方法は、定期預金、保険、投資信託いずれかから選んで運用することになります。
定期預金や保険には、元本確保型商品なのでリスクはほとんどありません。
しかしながら、投資信託には、価格変動リスク等いくつかのリスクがあります。
投資信託は、株式や債券に投資することによって得られる配当金などで資産を増やしていきます。
投資先の株式が好調であれば資産は増えますが、逆の場合、資産が減るということもあります。
リスクが大きいとリターンは大きくなりますが、リスクが小さければ、リターンも小さくなるというわけです。
④ 手数料がかかる
iDeCoに加入すると、以下の手数料が発生します。
- 国民年金基金連合会へ支払う手数料
- 金融機関へ支払う手数料
- 金融商品を保有することでかかる手数料
国民年金基金連合会へ支払う手数料は、加入者全員が同じ額を支払いますが、金融機関への手数料や金融商品にかかる手数料などは、それぞれ異なります。
手数料ひとつひとつは、大きな金額ではありませんが、掛金や移管が発生するたびに事務手数料がかかってきますので、要注意です。
労働スタイルによるデメリットについて
iDeCoは、公務員・自営業者・会社員、働き方によってデメリットが生じることがあります。
公務員の場合、iDeCoの拠出できる掛金の上限は最大で1万2,000円までです。
自営業者は、6万8,000円です。
会社員は、企業年金の導入の有無によって拠出額の上限が、月額2万3,000円、2万円、1万2,000円と異なります。
拠出額が少なければ、将来の年金原資が少なくなります。
それにともない運用益も少なくなるので、非課税のメリットや所得控除による節税効果が活かしきれないというデメリットがあります。
また会社員が転職した場合、iDeCoの掛金の上限額が変動する可能性があります。
またiDeCoにはポータビリティがあり、移管する場合は一度資産をすべて売却する必要があります。
これらは、相場の影響を受けやすくなるので注意が必要です。
iDeCo(イデコ)の注意点
- 金融機関変更の場合に注意
- 運用商品の種類や配分の変更に注意
- 加入者が死亡したときに注意
① 金融機関変更の場合に注意
iDeCoの運営管理機関(金融機関)を変更することは可能ですが、その際には手数料が発生します。
また一度資産をすべて売却する必要があります。
運用商品を選び直す手間もあり、事務処理などで運用が1~2か月中断する場合があります。
② 運用商品の種類や配分の変更に注意
運用商品は変更することが可能です。
配分変更や、商品を解約して他の商品に投資すること、いわゆるスイッチングも可能です。
これらには手数料はかかりませんが、スイッチングにより売却する商品によっては手数料がかかることがあります。
また金融商品自体にかかる手数料が変わる可能性があるので要注意です。
③ 加入者が死亡した場合
加入者が死亡したことにより、積み立てたお金は「死亡一時金」として遺族に支払われます。
死亡一時金は、相続財産となるので、相続税の課税対象となります。
まとめ
iDeCoは、メリットもデメリットもあり、加入者によってどちらが大きく働くか検討したうえでの加入が必要です。
貯金が少ない方や、運用できる年数が少ない方、納税額がそもそも少ない方などは、iDeCoのメリットは受けにくいかもしれません。
いずれにしてもメリット・デメリットをよく理解したうえで、加入検討なさってみてください。