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2024年から新NISAスタート!新制度で何が変わる?

2024年から新NISAスタート!新制度で何が変わる?

NISA(少額投資非課税制度)といえば、資産形成におすすめの税制優遇制度ですが、2024年からNISAが生まれ変わり、新NISAとして新たな制度がスタートします。
新制度は、現行制度と何が違うのでしょうか?
ここでは、現行制度と新制度の違いなどについて解説していきます。

新NISAとは?

NISA制度は、2014年に「家計の安定的な資産形成」を目的に導入された資産形成におすすめの税制優遇制度です。
これをさらに推し進めていくことを目的に「令和5年度税制改正大綱」で公開された新制度が新NISAです。

新NISAは、2024年1月1日からスタートします。
非課税投資枠が大幅に拡大され、制度が恒久化されるということで、すでにNISAをされている方に注目されています。
2023年以前にNISA口座を開設している場合は、自動的に新しいNISA口座が開設されるため、特別な手続きは必要ありませんのでご安心ください。

新NISA制度のポイントはここ!

それでは、新NISAは現行のNISAと何が異なるのか。
実際に新NISA制度のポイントについて見ていきましょう!

一般NISA(成長投資枠)と、つみたてNISA(つみたて投資枠)の併用が可能

現行のNISA制度は、2種類の枠があり、どちらかを選択する方式です。

  • 年間投資上限額が150万円で非課税保有期間が5年間の「一般NISA」
  • 年間上限額が40万円で非課税保有期間が20年間の「つみたてNISA」

新NISAでは、これらの名称が変わり、併用も可能になります。

  • 「一般NISA」→「成長投資枠」
  • 「つみたてNISA」→「つみたて投資枠」

年間投資上限額が最大360万円に拡大

現行NISA制度での年間投資上限額は、一般NISAが120万円、つみたてNISAが40万円でしたが、新NISAでは、大幅に拡大し360万円になります。

内訳を見ていきましょう。

  • 成長投資枠→年間240万円。(現行の一般NISAの2倍増)
  • つみたて投資枠→年間120万円。(現行のつみたてNISAの3倍増)

現行のつみたてNISAであれば、毎月33,333円を積み立てると、年間上限投資額である40万円を使えることになります。
一方、新NISAでは、年間投資限度額が大幅に拡大したため、毎月10万円を積み立てることができるようになるというわけです。

生涯非課税限度額が最大1,800万円

新NISAでは、新たに「生涯非課税限度額」が買付金額ベースで合計1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)に設定されます。
売却時には、買付金額分=売却した商品の取得価格分が復活し、売却した翌年以降に再利用が可能になります。

現行NISAには、生涯限度額は設定されていませんでしたが、一般NISAが120万円×5年間=600万円、つみたてNISAが40万円×20年間=800万円が実質の上限額でした。
買い付けた時点で枠が消費されるため、途中で売却したとしても限度額が増えることはありませんでした。

新NISAにおいては、年間投資上限額360万円を毎年使い切ったとします。
そうすると5年で生涯非課税限度額に達してしまい、6年目以降は投資できなくなりますよね。
しかしながら、買い付けた商品の値動きがなく1,800万円のままで、5年目までに360万円分を売却すると、6年目には再び最大360万円の投資が可能になります。
ただし売却した金額ではなく買付金額ベースの計算なのでご注意ください。

また新NISAでの生涯非課税限度額は、現行の制度とは別枠です。
現行NISAを利用している方も、2024年から限度額ゼロでスタートできます。
現行NISAを利用している方の限度額は、新たに新NISAから始める方よりも多くなるといえます。

非課税保有期間の無期限化

現行NISAでは、非課税保有期間が限られていました。
しかし、新NISAにおいては、非課税保有期間が成長投資枠・つみたて投資枠ともに無期限になります。

特に現行の一般NISAは、非課税保有期間が5年と短かったため、この期間が終わるタイミングで新しい枠を使ってロールオーバーするかどうか検討しなければなりませんでした。
新NISAでは、このような問題が解消されることにより、投資戦略の幅が広がります。

制度の恒久化

一番大きなポイントは、これらの制度が恒久化されるという点です。

これまで一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年まで(新規買付は2023年まで)とされていましたが、新NISAでは、これらの期間がなくなり制度が恒久化されることにより、より長期を見据えた投資が可能になります。

新NISAへのロールオーバーは可能?

新NISAへのロールオーバーは可能?

現行NISA口座をおもちの皆さまにとって一番知りたいのは、今保有している商品をどうすればよいのかについてだと思います。
それぞれの場合について見ていきましょう。

つみたてNISAをされている方

つみたてNISAは廃止となり、新規買付は2023年末で終了しますが、現在保有している商品は、従来通り購入から20年間は非課税で運用することができます。
非課税期間後は、従来通り保有している商品を課税口座に払い出すか、売却することになります。

またつみたてNISAと新NISAは、別枠として扱われるため、新NISA制度の「つみたて投資枠」を活用することにより、現行のつみたてNISAとは別枠で、引き続き積立投資を行なうことが可能です。

一般NISAをされている方

一般NISAもつみたてNISA同様、ロールオーバーはできませんが、非課税期間の5年間が終了するまでは運用可能です。
非課税期間後は、課税口座に払い出すか、売却する必要があります。

今後も非課税制度を活用して投資を続けるのであれば、「成長投資枠」を活用して継続可能です。

ジュニアNISAをされている方

ジュニアNISAは、2023年末で制度修了となります。
現在保有している商品については、2024年以降、5年間の非課税期間の満了を迎えても、18歳になるまでは継続管理勘定へロールオーバーすることで引き続き非課税で保有可能です。
18歳を迎えたら課税口座に払い出されます。

またこれまでジュニアNISAは、18歳になるまでお金を引き出すことができませんでしたが、2024年1月1日以降は、源泉徴収なしに払い出し可能となります。
ただしその際は、一部だけを払い戻すことはできず、すべての商品を売却し、ジュニアNISA口座自体を廃止する必要があります。

これからNISAを始めるならタイミングはいつ?

ここまでは、現在NISAをされている方のパターンをご紹介してきましたが、これからNISAを始めたいと思っている方のために、NISAを始めるならいつから始めるのがおすすめかについてご紹介いたします。

ズバリ!!

NISAは2023年中に始めることをおすすめします!

現行NISAと新NISAは、別枠で扱われます。
現行NISAの年間投資枠は、年間120万円最大600万円です。
新NISAの年非課税保有限度額は、1,800万円です。
これらがそれぞれ別枠として扱われるため、2023年度中に一般NISAを始めた場合、一般NISAの年間投資枠120万円は、新NISAの非課税保有限度額1,800万円とは別枠で非課税運用が可能になります。

また複利の効果は、運用期間が長い方が大きくなるため、2023年のうちに始めることをおすすめします。

まとめ

2024年1月1日からスタートする新NISA制度の概要、お分かりいただけたでしょうか?

これを読んでいただければ、現在NISAをされている方の不安も払拭され、新たな投資に意欲が沸いてきたのではないでしょうか?

またこれからNISAを始めたいと思っていた方は、メリットが多い2023年中に始めることをおすすめします。

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