お金money
お金

専業主婦は年金をいくらもらえる?年金を増やす方法も解説!

専業主婦は年金をいくらもらえる?年金を増やす方法も解説!

ただでさえ、公的年金には期待できないかも・・・という現代において、専業主婦の年金事情は切実です。

専業主婦の皆さまの「私たち専業主婦は、いったいいくら年金をもらえるの?そもそも年金もらえるの?」このような声にお応えして、専業主婦の年金事情についてご紹介いたします。

専業主婦と共働き世帯の妻の年金額の比較

専業主婦は、共働きをしている世帯の妻と比較すると、老後に受給できる年金額が少なくなります。
理由は、日本における年金の仕組みにあります。

日本国民は、要件を満たす人はみな公的年金保険に加入しています。
しかしながら、専業主婦と共働き世帯の妻とでは、加入している公的年金の種類が異なることで、受け取れる老齢年金の金額に差があるのです。

専業主婦は、国民年金に加入しているので、65歳以降、老齢基礎年金を受給できます。
一方、共働き世帯の妻は、厚生年金に加入しているので、老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金も受給することになるのです。
つまり、共働き世帯の妻は、専業主婦より、老齢厚生年金分余分に年金をもらえるというわけです。

それでは、専業主婦と共働き世帯の妻では、どのぐらい受け取る額に違いがあるのでしょうか?
それぞれの老齢年金のシミュレーションをしてみましょう。
ともに年齢は30歳。
共働き世帯の妻は、新卒から定年まで会社勤めをしており、厚生年金に38年間加入していたとします。
在職中の平均年収は、480万円です。
専業主婦は、5年間会社に勤めていたことがあり在職中は平均年収300万円。
それ以外はずっと専業主婦であったという設定でシミュレーションしてみます。
ともに国民年金の加入期間は、40年です。

専業主婦が受け取れる老齢年金額

・老齢基礎年金  795,000円(月額66,250円)
・老齢厚生年金  82,215円(月額6,851円)
専業主婦が受け取れる老齢年金の合計額は、877,215円(月額73,101円)です。

共働き世帯の妻

・老齢基礎年金  795,000円(月額66,250円)
・老齢厚生年金  999,734円(月額83,311円)
共働き世帯の妻が受け取れる老齢年金の合計額は、1,794,734円(月額149,561円)です。

夫の職業によって専業主婦の年金額も変わる?

夫が会社員の場合、妻は夫が加入する厚生年金の扶養に入ることができますよね。
厚生年金の扶養に入ることにより、妻は国民年金の第3号被保険者となります。
第3号被保険者は、第1号被保険者のように保険料を負担する必要はありません。
それなら、専業主婦であっても老後の厚生年金が夫と同じように支給されるようになるのでしょうか?

答えは「NO」です
厚生年金に加入している本人である夫は、老後に老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受給することができます。
しかしながら、夫の厚生年金の扶養に入っていても、老後にその妻が老齢厚生年金を受給することはできません。

それでは、夫が会社員でない場合、自営業やフリーランスだった場合はどうなるのでしょうか?
その場合、夫婦ともに国民年金に加入することになります。
上記のシミュレーションでは、専業主婦は5年間会社勤めをしていたという設定でしたので、厚生年金も5年間分支給されていましたが、夫も妻も国民年金のみの場合には、厚生年金部分が支給されませんので、老後は夫婦ともに老齢基礎年金のみの受給になります。
夫が、厚生年金に加入している期間がなければ、もちろん老齢厚生年金の受給対象にはなりません。

また老齢基礎年金は、保険料を納めた期間や免除されていた期間などによって、支給額が決まります。
老齢厚生年金のように、収入によって決まるわけではありません。
現役時代、いくら収入が高くても、老後の基礎年金額が高くなるわけではありませんのでご注意ください。

専業主婦が年金を増やす方法

専業主婦が年金を増やす方法

ここまでご説明してきたように、老後に専業主婦が受け取れる老齢年金額は、微々たるものです。
「とてもこれだけで生活できない」と不安になった方も多いことでしょう。

老後、実際に年金を受け取る段階になって、このことに気づいてしまってもどうしようもありませんが、まだ年金を受け取る前であれば、まだ年金を増やす方法はあります。
ここからは、今からでもできる専業主婦が老後に受け取る年金を増やす方法についてご紹介いたします。

  1. 国民年金の任意加入制度を利用する
  2. 付加年金を利用する
  3. 年金の受給開始を遅らせる
  4. iDeCoで老後に備える
  5. つみたてNISAで老後に備える
  6. 貯蓄型保険で老後に備える

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

①国民年金の任意加入制度を利用する

国民年金の任意加入制度とは、国民年金保険料の納付期間が40年に満たない場合に、引き続き国民年金に加入することにより、受給額を増やす制度です。
60歳以上65歳未満の方が対象で、老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けていない人、厚生年金保険、共済組合等に加入していない人のみ利用できます。

②付加年金を利用する

付加年金とは、国民年金保険料に加えて毎月400円を負担することで、老齢年金の受給額を増やせる制度です。
これにより、受け取る受給額は、200円×付加保険料の納付月数増えることになります。
ただし、国民年金基金に加入している人は、この制度を利用できません。

③年金の受給開始を遅らせる

年金の受け取りを送らせることで、のちのち受け取る支給額を増やすことができます。
受給開始年齢を1か月遅らせることにより0.7%ずつ増え、生涯にわたって適用となります。
ただし、繰り下げは75歳までです。

④iDeCoで老後に備える

iDeCo「個人型確定拠出年金」は、自分自身で年金を積み立てて備える制度です。
毎月一定額の掛金を支払い、投資信託や年金保険などの金融商品で運用していき、老後受け取るようにできる制度です。
税負担を軽減できるメリットがあります。

⑤つみたてNISAで老後に備える

所定の金融商品に投資して運用することにより、老後資金を確保する制度つみたてNISAです。
iDeCoは、引き出せる年齢に制限がありますが、つみたてNISAはいつでも引き出せます。

⑥貯蓄型保険で老後に備える

終身保険や個人年金保険といった貯蓄型保険で老後に備える方法もあります。
加入して一定期間が経過したのち解約すると、支払った保険料以上の解約返戻金を受け取れるという商品です。
ただし、途中解約すれば元本割れになることもあります。
また高い利回りは期待できませんのでご注意ください。

まとめ

専業主婦は、共働き世帯の妻に比べて、老後受け取る年金額が大幅に少なくなるという衝撃的な事実に、びっくりした方も多いかもしれません。
公的年金には期待できないとなると、残るは自分自身で何とかするしかありません。
楽しい老後を過ごすためにも、ぜひ今のうちに備えておきましょう。

一覧へ戻る