投資初心者でも分かる!「投資信託」を選ぶ基準となる「利回り」とは?
近年は投資ブームが続いています。
資産形成のためにも投資を始める方が増えています。
「投資は始めてみたいけど、初心者なのでどの商品を選べばよいか分からない」
という方にも安心で始めやすいのが投資信託です。
投資信託は、投資家自身が運用しなくても、ファンドマネージャーが銘柄の選定や運用を行なってくれます。
そのため、投資初心者でも安心して始められるというわけです。
とはいえ、どの投資信託を購入すれば良いのか、投資初心者にとっては難しい判断ですよね。
そのようなときに選ぶ基準となるのが「利回り」です。
ここでは、投資信託の利回りについて、初心者でも分かりやすいように解説いたします。
投資信託の利回りとは?
利回りとは、投資額が一定期間にどのぐらい利益を出したかを表す指標です。
一般には、1年間の収益の割合のことを利回りもしくは、年利回り(年利)と呼んでいます。
このほか、別名リターンやトータルリターン、平均利回りとも呼ばれています。
これらはすべて同じものです。
投資信託の指標には、このほかにもいくつかありますので見ていきましょう。
利回りと利率は別物?
金融商品で利率という言葉をよく聞きますよね。
「利率と利回りと同じもの?」と思うかもしれませんが、実は別物です。
投資信託の収益には2種類あります。
- 譲渡損益(売却損益)
- 分配金
利回りは、投資によって得られる総合収益率のことを指します。
一方、利率は、債券や預金によって得られる利息(利子)の収益率のことを指します。
利回りとパフォーマンスは同じ意味?
投資信託を選ぶ際に、パフォーマンスという用語を耳にすることがあります。
「何となく、利回りと同じ意味合いでは?」と思うかもしれませんが、これも意味合いとしては異なります。
投資信託には、運用するために指標となる基準があります。
これをベンチマークといいます。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)が、国内株式に投資をする投資信託のおもなベンチマークです。
このベンチマークと比較して利回りの良し悪しを表現するのがパフォーマンスです。
ベンチマークよりも利回りが良ければ、パフォーマンスが良い
ベンチマークよりも利回りが悪ければ、パフォーマンスが悪い
ということになります。
運用会社では、投資信託の運用レポートを作成しています。
ここにパフォーマンスも記載されていることがありますので、ぜひ投資信託購入の際の指標としてご活用ください。
利回りと騰楽率は同じもの?
騰落率(とうらくりつ)という用語を聞いたことがありますか?
これも利回りと似通ったものに思えますが、利回りとは異なります。
しかし、投資信託を選択する際には、重要な指標となります。
投資信託には基準価額があります。
基準価額とは、1万口当たりの値段を示す投資信託の値段のことです。
この基準価額が「一定期間内にどれだけ上下したか?」を表すもの。
それが騰落率です。
例えば・・・
基準価額1万円の投資信託を例に挙げてみてみましょう。
この投資信託をあなたは1万円で購入しました。
購入して1年後に1万1,000円に値上がりしました。
騰落率は・・・
そうです。
10%です!!
投資信託を選ぶ際には、利回りに加え、騰落率や利率、パフォーマンスなどといった複数の指標を見て総合的に判断することが重要です。
利回りを計算してみよう!
利回りを正確に計算するとなると、収益、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額、税金などを考慮し計算しなければなりません。
投資初心者には、とてもハードルが高いですよね。
そこでここでは、投資初心者でも分かりやすい、ざっくりとした利回りの計算方法についてご紹介いたします。
利回り(%)=(譲渡損益+分配金)÷運用年数÷投資金額×100
では、実際に計算してみましょう!
あなたは、100万円を元本に投資をしました。
3年後分配金5万円を受け取り、110万円で売却しました。
利回りはいくらでしょう?
(譲渡損益10万円+分配金5万円)÷運用年数3年÷投資金額100万円×100という計算式になりますよね。
これを計算すれば、利回りは5%になります。
意外と簡単にできますよね。
「でもいちいち計算するのは面倒!」というあなた。
ご安心ください。
実は実際に計算しなくても金融機関によっては、サイトに利回りが記載されている場合があります。
ぜひ参考になさってください。
利回りは、一定ではありません。
ファンドマネージャーの手腕や、銘柄の投資先の環境などといった要因に影響を受けます。そのため、投資信託を購入する場合には、利回りだけでなく、収益率やパフォーマンス、騰落率なども併せて参考にすることが重要です。
目標利回りとは?
目標利回りとは、投資家自身が目標を達成するために設定する利回りの目標のことです。
この目標利回りを立てておくことのメリットは、どの程度の利回りの投資信託を選べばよいのかの判断がしやすくなるという点です。
目標利回りが3%以下・・・リスクは低めだが収益が上がりにくい
目標利回りが3%~5%・・・平均的なリスクの標準運用
目標利回りが5%~8%・・・リスクが高めだが収益は上がりやすい
投資信託を選ぶときは、トータルで目標利回りに達するように、利回りが高いものと低いものをバランスよく組み合わせることをおすすめします。
まとめ
投資信託選びに、利回りは大変重要な指標になることがお分かりいただけたことと思います。
利回り以外にもパフォーマンスや平均収益率、騰落率などといった指標もぜひ参考になさってください。
また、投資信託選びにおいては、運用会社の運用方針、販売手数料や信託報酬などといったコスト、分配方針なども事前に確認しておきましょう。
投資にリスクはつきものですが、そればかり気にしすぎても収益は上がりません。
まずは、目標利回りを設定し投資計画を作成します。
そのうえで、ポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)を意識しながら、投資信託をバランスよく購入しましょう。